第40章 scene ■
「じゃあレイは僕の中身を見てるの?」
「当たり前じゃん。外見に興味はないよ」
「じゃあ僕の中身が好きなの?」
「……そうだよ?え、なんだと思ってたの?」
「・・・」
「突然黙るなよ、ナルシストバカ。」
「いや……なんか……」
初めて言われたし…
ていうか、中身に惚れられるって見た目に惚れられるよりこんなに嬉しい事だったんだ…!
こんなの初めてだ…!
ちょっ…やばい。
なんか食欲なくなってきたかも。
と思いながらも照れ隠しに何度もケーキを口に運ぶ。
「なんか?なんだよ、ナル男。」
「…ん。……嬉しい…と思いました」
そう言って、いくつも角砂糖を落としたコーヒーに口をつける五条を見ながら、レイは少し笑った。
「そういう素直なところもいいよね」
「・・・」
また照れているのか、目を合わせずに
もお……と言っている。