第40章 scene ■
「・・・」
「ほら、早く」
「ん…届かないっ…背、高すぎなんだって」
「ははははははっ、でしょお」
意味不明なからかい方をされたと思って頬を膨らめる。
五条はゆっくりと屈んだ。
五条の脇にはやれやれと言ってため息を吐いているクマがいる。
目と鼻の先でジッと見つめられ、レイは五条のサングラスを取った。
夕日を帯びてギラっと光っている美しい蒼眼に射抜かれる。
「…悟はずるいよね…そんな目を持ってるんだもん」
ついそう呟いてしまった。
「…その言葉、そっくりそのまま返すよ、レイ」
「…え?」
「いーから早く…」
レイは1度、キョロキョロと視線を走らせてから、チュッと音を鳴らしてキスをした。
「はいっ、不合格〜!」
「っえ!」
突然そんなことを言われて目を見開いた瞬間には、頭をグッと押さえつけられ、深く濃厚な口付けをされていた。