第40章 scene ■
「あぁ、でも…一つだけお願いしていい?」
「うん!なになに?!」
目を輝かせて顔を覗き込む五条を見上げた後、レイは照れ笑いを浮かべながら小さく言った。
「…好きって…いっぱい言ってほしい…かな」
「っん?…え…そんなこと?」
拍子抜けしたような五条の声に少し笑う。
「うん。毎日言われたい…の…」
「ふふっ、わかった。ていうか、1日10回は言ってる気がするけどね。」
「…うん。大事なことなんだよ、私にとっては…」
「じゃあレイ、毎日最低でも10回はキスをする。これもルールにしよ」
「…っ、ルールって…」
「ちなみに、僕からもレイからも10回。つまり最低20回ってこと。いいね?」
ゆっくりと見上げると、有無を言わさぬ雰囲気で口角を上げている五条がいる。
「ん。はい。」
「んー今日はまだレイからはされてないなぁ…
今して?」
「っえ…ここ、で?」
「うん。」
突然立ち止まって強めに言われてしまい、さすがに人目があまり無いとはいえ、たじろいでしまった。