第40章 scene ■
"同じ星空でも、星座を知ってる人と知らない人とでは、ぜんぜん見え方が違うんだろうなぁ…星座を知らないと絶対繋がりっこない遠く離れた二つの星だって、いったん知っちゃうと他に繋げようがない気がしちゃうんだよね。…人の人生も同じかもって思うんだー"
"空見るの好きだな。前向いて歩けよ。転ぶぞ。
手繋いでる俺まで転びそうで怖いんだけど。"
"悟も普段から空はよく見た方がいいよ"
"んな余裕ねーよ。いつも。"
"心に余裕がある時に空を見上げるんじゃないよ?空を見るから心に余裕ができるんだよ。
空を見上げるとさー、全ては繋がってるって実感できるんだよね。空は何があってもどこへ行っても一緒にいてくれる。いつだって味方になってくれる"
その時の綺麗な横顔だって、鮮明に覚えてる。
月明かりと星の瞬きで、どうにも儚く脆く見えた。
その時の会話は僕にとって、
ある意味一生の呪いだった。
そしてそれは僕が自分で受け入れて自分に課した。
"なぁ… レイ俺決めたわ"
"へ?"
"空になるわ、俺。"
今思うと、なれていたのか なれていなかったのか
なんだかよく分からない。
というか…そんなことよりも…
ただレイが眩しくて
ただレイが好きだっただけ…
かも……。