第40章 scene ■
「実はクマは…私一人の力で作ったんではないんだよ…」
「えっ、そうなんですか?」
「う、うん…」
「じゃあちゃんとその方にもお願いをしますっ!」
「あっ…え、とね、その人は…遠くに行っちゃって…
もう会えない…から。」
顔を曇らせて弱々しい声で俯くレイを前にして、全員その意を察してかたちまち慌て出す。
「ごっごめんなさいレイさんっ!
そうとは知らずにとても図々しいことをっ…」
「本当に不躾な発言をしてしまった…ごめんなさい」
「あっ!ごめんごめん変な話してっ!
ていうか…そもそもね、クマは突然変異だからっ…
その…どうしてできたのかとか自分でもよくわかってないの」
そうは言ったものの…
嘘だ。
私は…
ホントはもう分かってる。
必要なのは、
私の能力と…
それから……
「っわ?!」
「え?!」