第39章 dignity ■
「… レイ、やっぱりまだ傑のことが1番?」
「…えっ…」
突然のその言葉に大きく鼓動がはねた。
「僕のこと、好き、じゃない…のかな…」
無機質で静かな口調に、冷たい表情になる五条にレイは眉を顰める。
「…無理、させちゃってる…よね…」
「さ…」
「まだまだ忘れられてないんだよね…」
見たことないくらいに苦痛に満ちた五条の顔が離れていく。
「そりゃぁそうだよね…ごめんねレイ」
なんで…謝るの…
下唇を噛んだレイの顔も歪んでいく。
「そんなこと、悟に言わせたくないよ…」
「いいんだ。無理させたくないし…」
切なげに薄ら笑う五条がゆっくり髪を撫でる。
「や…だ……そんな顔、しないでよ…」