第39章 dignity ■
「その……や、優しくして?」
その言葉に、五条はハッと笑い声を上げたかと思えば、両腕をレイの顔の横について睨むように見下ろした。
「それは約束できない。だって今日言ったでしょ?」
レイは今日 高専の廊下で言われたことやされたことを思い出して息を飲んだ。
"ふ…お仕置は帰ってからかな。さっきの続きもちゃぁんとしてあげる。覚悟しておけよ"
「っえ…で、でもっ……」
「さあ、お姫様。王子様からのお仕置の時間だよ。」
そう言ってバスローブを脱がせてくる五条にバタつくレイ。
「まっまだ覚悟ができてませんんっ!!」
「だ〜め。いっぱい時間は与えたでしょう」
「ひあぅっ…ま、待ってよ…そんっ…」
互いの裸体が重なり、五条の腕を掴むレイの両手が頭上で拘束された。
そして低く唸るような声を目と鼻の先で真剣に発せられる。
「抵抗するなよ。言っとくけど、実は僕けっこー怒ってるから。」
「…えっ……」
身動ぎひとつできず、拘束されたまま目を見開くことしか出来ない。
五条の目つきがとても冷ややかな感じがしてゴクリと生唾を飲み込んだ。