第39章 dignity ■
「もう、しっかりしてよレイ。
のぼせるのはまだ早いよ?」
ニッと笑って真っ直ぐ見下ろされ、五条の両腕に頭をギュッと包まれる。
五条の胸の当たりに顔が押し付けられ、自分と同じボディーソープの香りが鼻をくすぐる。
「ね、ね、悟っ…で、電気っ!」
「ええ〜。消すの?」
「当たり前でしょ!!」
くぐもった必死な声と共に、胸をどんどん叩かれ、五条はハァとため息を吐きつつも口角を上げてライトのみにした。
豆電球よりも明るめに設定する。
「ん、ちょっと明るいかな…」
「わがままなお姫様だなぁ〜これ以上はダメ!」
そう言ってまた覆いかぶさり、バスローブの中に手を忍び込ませる五条にレイは顔を赤らめながらまた口を開いた。
「あ、あ、あのさ!」
「今度は何ぃ〜?!」
そのガラスのようなギラギラの青から少し目を逸らし、また恐る恐る戻す。