第39章 dignity ■
レイの濡れた髪を後ろに流しながら、首筋を眺めて満足そうに目を細める。
別の男の痣の上に上書きしたそれは、さらに大きく形のいい痣となっている。
元の痣が跡形も無くなるくらいに。
綺麗に咲いた、僕の所有印。
でもまだまだ足りないな…
まだまだ分からせたい。
君が誰のものなのかということを。
五条はシャワーを止めると、レイを抱き抱えてそのまま湯船に浸かった。
ザザザ〜とこぼれていく大量の湯が蒸気を作り、薔薇のような心地よい香りと共に2人を包み込む。
五条の脚の間に入り込んだレイは厚い胸板に背中を預けながら脚を伸ばし、ふぅ〜と息を吐く。