第39章 dignity ■
「っひぁ!…あ…っ」
固い感触が当たり、チリッとした痛みに顔を歪める。
ちゅぱっと唇が離れたかと思えば顎を捕まれ噛み付くようなキスを落とされ唇を塞がれた。
「っん!…んんっ…む…っ…」
上顎から艶めかしく舌が這いずり回り、奥から舌を絡め取られ、立っていられないくらいの快感を与えられる。
シャワーの水音とは全く別の淫靡な水音が浴室に木霊する。
こんなに乱暴な感じなのに
なぜこんなに気持ちいいのだろう…
そう素直に思えてしまうほど、五条のキスはとてつもなく官能的でその熱く柔らかい舌で口内を犯され続けた。
「っは!…はぁ…はぁ…っ」
解放され、シャワーに打たれながら片目を開けると、沢山の光る雫を落としている白い前髪から覗く碧眼が睨むように真っ直ぐ向けられていた。
そのあまりの色気にレイは気まずくなって目を逸らす。
「…ごめん…ね……私いっつも…隙があるみたいで…」
「…うん。ありすぎ。でも……」
五条の唇が近づき、額に落ち、瞼に落ちた。
「…そういうところも妙にそそられちゃう。
そういう所も…好きなんだ。
矛盾してるよね、バカだよね、僕って…」
あーもうほんとに僕って…
レイに溺れてる……