第39章 dignity ■
レイは目を輝かせた。
「わぁ〜すごおおい美味しそう〜!」
そこにあるのは、トロリとした卵のオムライスに、アボカドとトマトのサラダがワンプレートに乗っている。
それと野菜たっぷりのポトフが鍋ごと置かれていた。
オシャレなカフェのようなその光景に、本当に五条が作ったものなのかと疑いたくなってしまうが、考えてみたらあの頃から五条はオシャレなカフェばかり行っていたしなんとなくわかる気もした。
「いっただきま〜す!」
寝起きでお腹が減っていたレイは、手を合わせて食べ始める。
「美味しいっ!ていうかっ、なんでこんなに卵ふわとろにできるの〜?お店のみたいぃ〜!」
「だって僕これけっこー練習したもん。
慣れるとわりと簡単だよ。」
その言葉に、ついその練習風景を想像して笑ってしまった。
「あ〜私も料理勉強しなきゃなぁ。こーゆーオシャレなのも作れるようになりたいし。」
「じゃあ明日はレイが料理当番ね!」
「うん!ふふっ、何にしよう〜」
この状況には素直に幸せを感じる。
悟とクマと一緒に暮らしているなんて未来を想像したことなんてもちろん1度もなかった。
でも、今こうして楽しく生活している。
ずっとずっと、この幸せが続けばいいな…