第5章 possession
「なんか…全然決着つかないね?…」
息を飲むほどの真剣勝負に、レイはこそこそと硝子に耳打ちする。
「2人ともそこまでレイとコンビニ行きたいってことね…」
「え…そゆこと…?いや、単にお互い負けたくないだけだよね?」
「さぁねー、なんでもいいから早くしてくれないかな…」
なかなか決まらない目の前の2人はまるで命を懸けて呪霊と戦っているときよりもむしろ本気に見える。
一瞬足りとも目を離さずカッと開いた眼光から凄まじいオーラが出ているかのよう。
「くっそ…しずえめー!」
「そろそろ決まりそうだな、悟」
いつの間にか、五条の扱うピチューのボルテージはもうギリギリだ。
夏油は勝ったも同然というように余裕な笑みを見せ始めた。
「あと1発で終わるね、早く決めてよ夏油〜
こっちはもう飲みてーんだよー酒酒〜」
硝子はとっくに飽き飽きしている。
「チッ、こーなったらもう逃げるしか手段はねぇ!やれるもんならやってみろよしずえ!」
「ピチューは確かネズミだよな。犬から逃げ切れるのか見ものだな…」
しずえさんはさぞ面白そうにピチューを追いかけ回しはじめた。