第39章 dignity ■
「……はぁもう勘弁してくれ。どいつもこいつも。
だいたいクマ野郎が1番よく知ってるはずじゃん。
…僕がどれだけレイのこと……」
クマは突然テーブルの上で笑い転げた。
「ギャハハ!そうだったそうだった!
確かにお前は傑がいた頃からずーっとこいつのことばっか見てて馬鹿の一つ覚えみたいにレイレイって」
「なぁ、それはお前だろ…
つーか静かにしろよ。…あーもうそろそろそこどいて。並べるから。」
五条は乱暴にクマを放り投げて夕食をセッティングし始めた。
「ふん。ならよ、五条。おいらと約束しろよ。」
「うん、なにー?」
五条が食器を並べた椅子に、ちょこんとクマが座り、真っ直ぐと真剣に見つめて言った。
「… レイを幸せにしろ。」
ビー玉のような丸い瞳とパチリと目が合う。