第39章 dignity ■
「…いいな?もうこれは、おいらとの最後の約束だ。」
五条はニッと笑ってクマの手を握る。
「うん、約束ね。幸せにするよ。絶対に、今度こそ。」
固いはずの握手は、固くない柔らかい肉球の感触。
その懐かしさに、五条はつい眉をひそめた。
"貸し1な。"
"おう。…おまっ!肉球やっば!やわらけー!
もっと触らせろ!"
"んなっ?!この変態野郎!セクハラ!
傑に言いつけるからな!"
"マジそれだけは勘弁!ははっ!"
"はぁ…人間は約束が好きだな…"
「ごめんクマ…僕はあの時の約束…守れなかった…」
レイには悲し涙を流させない。
それは、結局守れなかった。
あれからずっと
悔やんでいる。