第39章 dignity ■
「んなことより五条…お前とレイって、本当にそーゆー仲になったのか?」
テーブルに寝そべっているなんとも行儀の悪いクマに、五条は冷蔵庫から卵を取り出しながら言った。
「うん、だからそう今朝言ったじゃん。」
「…マジか…体の関係ってやつか…」
その言葉に、五条はつい片手で卵をぐしゃりと握り潰してしまった。
「ちょ…何言っちゃってんの。どーゆー勘違い?
冗談だったとしてもマジ笑えないよ?」
「お?なんだ違うのか?ならどういう」
「おいおいおいおいなんなのなんなのお前っ
そんなことあるわけないだろ!」
「しぃ〜…落ち着けお前。レイが起きるだろ。」
「どの口が言って…」
五条は口を噤んでハーとため息を吐き、手を洗う。
「だって、人間の男女がひとつ屋根の下で寝食共にしていたら、そういう関係になっても何も不思議じゃねえだろう?まぁ今朝はてっきりてめぇがレイを犯してんのかと思ったが。」
眉間にシワを寄せ、呑気な顔をしているクマを睨む。
全く…どいつもこいつも…
僕って一体
どんな奴に思われてんだよ。