第5章 possession
「じゃー私は…ロゼッタにしようかな」
そう言ってレイがデイジーからロゼッタに変えると、五条が笑いながら言った。
「おいおいレイ、さっきからお姫様ばっか使うなよ。かわいこぶっちゃって!そんなことしても誰も手加減しないよ?」
「はぁ?そっちだって顔に似合わず随分可愛らしいの選んでんじゃん。それに姫様系は扱いやすいんだよ…」
これは本当なのだ。
難しいキャラクターは扱いづらくてどうも苦手だ。
「夏油はどうすんの?」
硝子の言葉に、夏油はうーんと唸ったあと、意外すぎるものを選んだ。
「え…?!ウケる!しずえさんじゃん!」
しずえさんとはどうぶつの森の犬のキャラクター。
とにかくとっても愛らしい女の子なのだ。
3人はたまらず噴き出したが夏油は何食わぬ顔で言った。
「皆が可愛らしいのを選ぶから私もね。しかもしずえさんって意外と強いらしいから試したいんだよ」
「あ、そう。じゃあステージもこの村にしよう」
そう言って五条はどうぶつの森の村を選び、戦闘が再開された。
「ちょ、ちょっと待って!ハハ!しずえさんすごい!」
しずえさんはホウキで叩いたり、うさぎの風船で空を飛んだりしているがすばしっこくて強い。
「可愛いなしずえ!でも中身は傑だからな!
容赦はしないぞ!」
とにかくむちゃくちゃ楽しくていつの間にか4人は愛らしいキャラをぶつけ合うただの遊びになっていた。