第39章 dignity ■
「それなのに、五条先生と付き合ってるんですか?」
目を見開いて固まるレイ。
「…わ、忘れようと…してるよ?」
「じゃあなんでそのペンダント、まだつけてるんですか?」
ドキッと鼓動が跳ね、口ごもる。
「五条先生じゃ、忘れるの無理なんじゃないですか?」
「・・・」
「俺なら多分、忘れさせてあげられる。
だって俺は…誰よりも不平等な奴だから…」
「え……?」
「はいはい、そろそろ終わったかな〜?」
突然の五条の声に、2人同時にドアの方を向く。
にっこり笑っている五条が入口付近に立っている。
「2人とも怪我はないね?
よし、じゃーレイおいで。」
レイは頭を切り替えて急いで立ち上がる。
「ふし、あ、恵くん、じゃあまたね!
訓練頑張ってね!」
何ごともなかったかのように満面の笑みで手を振り、踵を返していくレイ。
伏黒はフーっと息を吐いて立ち上がり、ポキポキと首を鳴らしてその後ろ姿を見送った。