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walking proud~呪術廻戦~R18~

第39章 dignity ■


「伏黒くんは、向上心があって偉いね!
きっと大切な人が沢山いるんだね。」

「別に…俺はそんなに善人じゃない。」

「善人か……そんな人っているのかな…」

突然トーンが低くなり、俯くレイを訝しげに見る。

「悪人も…本当にこの世にいるのかな…
私にはわからない…」

そう言って、レイはペンダントを握った。

伏黒は察したように目を細める。


「あの人も…善人だったのか悪人だったのか…
今となってはどちらでもなかった気がするし、
私だって…一体どちらを肯定しているのか…」

独り言のように呟くように言うレイに、伏黒は言った。


「因果応報は全自動じゃない…呪術師なんて、そんな報いの歯車の1つに過ぎない。俺には許せない奴がたくさんいるし、嫌いな奴も助けたくない奴もいる。だから俺は、不平等に人を助けてる。でもレイさんは違うでしょう?」

「え……」

確かに私は…許せない人もいないし、嫌いな人も助けたくないと思う人もいない…


「だからあなたは善人ですよ。」

そう…津美紀みたいに…

"誰かを呪う暇があったら、
大切な人のことを考えていたいの"


あなたも以前、こう言った。


"いつまでも呪いが消えないこんな世の中だからこそ…大切だった人のことを思い出していたいんだ"



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