第39章 dignity ■
「さぁさ!用は済んだのレイちゃ〜ん?」
五条の低い声に、レイはハッとしたように振り返る。
「あっ!ごめん邪魔しちゃって!
もう帰るね!!」
振り返った時に顕になったレイの首筋を見て、伏黒は目を見開いた。
な…んだ…これは……
それは明らかな鬱血痕。
昨夜はこんなの絶対なかった。
これって……
驚愕の表情のまま五条に視線を移すと、五条は伏黒の思惑に気がついているようで既に白い歯を覗かせていた。
伏黒はあからさまにムッとした顔になり、
気がつくとレイに声をかけていた。
「レイさん。」
「っえ?」
レイは急いで伏黒に振り返り、笑顔を作る。
「なあに?」
「あのさ……」
「?」
睨むような鋭い視線を向けられ、レイは疑問符を浮べる。