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walking proud~呪術廻戦~R18~

第37章 nightmare


どうして私だけ輪に入れないのか、それはその頃にはもう理解できていた。

私は、"普通"じゃない。

皆には見えないものが見えるし、感じるし、なぜか皆よりも運動ができる。
力が強くて足も速い。

だから必死で普通になろうと皆に合わせてた。

暗記が得意で、勉強もできた。
読書が好きで、英語の本がお気に入りだった。

でも普通になりたくて、テストでもわざと間違えて平均を狙っていた。

それでも普通の子には見られなかった。

問題行動ばかりするし、遅刻したり早退したり、
親にも、普通じゃないと言われ続け、
いよいよ私は分からなくなった。


" 私って何?"



高学年になり、知恵がついてくると、
いじめてくる子も出てきた。


でもそれがエスカレートしなかったのは、やっぱり私が普通じゃなかったからだ。

「馬鹿やめとけ!"お姫様"なんだぞ!」
「あいつのことは丁重に扱え!」
「目つけられたら処刑されるぞ!」
「機嫌を損ねるな!"お姫様扱い"しろ!」


"お姫様"

それって、シンデレラとか白雪姫とか眠り姫とかのこと?

お姫様はこんな風に扱われるの?

常に引きつった顔で腫れ物を扱うようにして、必要最低限しか関わらなくて、誰も友達になってくれなくて、誰も話を聞いてくれなくて、すぐに目を逸らしてしまう人たちしか周りにいなくて…?


女の子なら誰もが1度は憧れたことがある"お姫様"

私も小さい頃は家でお姫様のビデオを見るのが好きだった。

テレビドラマで時たま見るドレス姿の花嫁に憧れた。


いつかあんなふうになりたいって。
大きくなったら、私もいつか、お姫様になれるかもしれないって。


でも、いつしか私は、
この言葉が、存在が、

"お姫様" が、

大嫌いになった。
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