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walking proud~呪術廻戦~R18~

第37章 nightmare


「… 過去は捨てることはできない。現在は止めることができない。でも…未来は決めることができますよね。」

強く言い放ったその言葉に、レイは目を見開いて視線を移す。
黒々とした真剣な目が突き刺さる。

「伏黒くん……すごく…大人だね……
私のことだって、何も聞いてこないし…」

ついそう呟いてしまった。
私の本当のことを知っているのは、生徒では伏黒くんただ1人だけなのだ。

過去のことだって、なぜさっき泣いていたのかだって、聞いては来ない。


伏黒はフイと視線を逸らした。

「別に…。誰にだって語れないことはあるだろうし。ただ…聞きたくないわけではないですよ…もちろん気にはなってますから…」


そりゃぁそうだよね…人間なのだから…
好奇心はあるのが当然だし、隠されていて良い気がしないのは誰でも同じだ。

レイは静かにぽつりぽつりと話し出す。

「大好きな人が、いたの…
自分の命よりも大切で……毎日をその人のために生きてて…
その人がいるから生きれてて…その人がいたから私でいられたの…
でももう今は…その人はどこにもいなくてね……
どうしても…思い出してしまって…受け入れられなくて…悲しく…なるんだ…」


伏黒は目を見開いた。
こんなに悲しげな笑みは生まれて初めて見たと思ったからだ。


「重いよね…私…」

「重いですね。」

その即答に、レイは唇を噛み締める。


「……ていうか、レイさんがどこまでも自分を重くしてますよね。……過去にしがみついて前進するのは、鉄球のついた鎖を引きずって歩くようなものですから。」

「っ……」


その時、注文した料理が運ばれてきた。
空気を変えるように、同時にいただきますと言って食べ始める。
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