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walking proud~呪術廻戦~R18~

第37章 nightmare


高専の近くの公園。
ブランコをゆっくりと揺らしながら、レイはボーッと空を眺めていた。

あと少しで星が出てくる頃だ。

ここは昔よく夏油といた公園。
一緒に月を眺めて星を見て、初めてキスをして、最初で最後だったはずの愛の言葉を囁かれた。
その時にもらったルビーのピアスは今はもうどこにもない。
代わりに自分の耳に輝いているのは、夜空に瞬く星のようなクリスタルのピアス。
彼がずっと付けてくれていたもの。
地獄には道連れにしたくないと言って最期に外したもの。

でもきっと…
あなたは天国にいるでしょう?

別に地獄だとしても、私はそこへ行くけどね。
傑がいるところへ必ず行くよ。

だから、待っててね。

「ね?傑…私ってしつこい女でしょ?」

そう呟いて自嘲気味に笑う。

寝ても覚めても何をしていても、結局考えているのはあなたのことばかり。
頭から離れない。


もっともっと触れておけばよかった。
もっとキスしておけばよかった。
もっと愛してると伝えればよかった。
もっと話せば、もっと見てれば、もっと…もっと…

あのとき、なにがなんでも離さなければ…
死に物狂いで追いかければ…


後悔ばかりが襲う。


こんなに引きづっていて気持ちの悪い奴だという自覚はある。

でも、この世にあなたがいないことが未だ受け止めきれていない。

きっとまだどこかにいるんじゃないかって…

どこかで誰かにあの笑みで優しく微笑んでいるんじゃないかって…



キー…キー…
と一定のリズムで鳴るブランコの音がやけに寂しく切なく聞こえ、胸が張り裂けそうになる。


「ね…傑…どこにいるの…」


いま、何してるの…


独りにしないで…


あなたのいない世界なんて
いくら過ごしても慣れないよ。



またあの笑顔で優しく囁いてよ…


「…好きって…もう一度言って……傑……」


もう一度、あと一度だけでいいから、

聞きたい。

好きだ…って。
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