第36章 inequality 【特別編】
加茂によって変態呼ばわりされていた東堂は、高田ちゃんグッズ売り場でいろいろと買い漁っていた。
急いで後ろから声を掛ける。
「東堂くん!」
「おう、どうだった?かなりよかっただろ?
生の高田ちゃんは!」
「あ、うん。とても…」
「おいてめぇ!よくもおいらのことをっ」
「え、なんだお前戻ってきたのか!せっかく高田ちゃんの私物になれたとこだったのに!勿体ねぇな。」
「っっざけんな!!
おいらはレイの所有物なんだよ!」
完全にいきり立っているクマをレイは宥める。
「もういいじゃん。無事戻れたんだし。
お約束の甘いもの、食べに行こう?
お昼の時間だし!
あ、東堂くんもよかったら…それから加茂くんも!」
加茂は冷や汗をかく。
「なんだ…これ…は……
…謎すぎないか?」
しかし、東堂のみ行かせるのは絶対ダメだ。
確実に迷惑をかけるだろう。
責任感の強い加茂は、結局ついて行くことにした。
謎の3人とクマという組み合わせで、ひとまずカフェレストランに入った。
東堂くんのおかげで貴重な体験ができたし、加茂くんにもお世話になったし、今日もしっかり奢ろう!と思っていた。
加茂はレイと同じ、コーヒーとサンドイッチを頼んだ。
どうやら加茂は、コーヒーがかなり好きらしい。
落ち着いている雰囲気と、優しげな態度、そして一人称の「私」は、やはりある人物を想像させられた。
目の前にいるだけでなんとなくドキドキしてしまう。
東堂は隣でAランチセットとBランチセットを頼み、クマはやはりパフェを頼んでいた。