第4章 bruise
「傑、楽しかったかー?レイとの任務は。」
机に足を乗せながら五条が明るく問う。
夏油は無機質な声色で返した。
「あぁ。見ての通り傷1つ付けることなくレイは帰ってきたろう?」
「はぁ?それなかなか嫌味〜!自分がつけといてよく言うよ」
首筋のアザのことを言っているだろうことは分かっている夏油は顔色ひとつ変えない。
しかし、話の内容を変えてきた。
「レイがさ…私が飲み込もうとした呪霊を飲み込んだんだ」
その言葉にさすがに五条はガタッと足を落とし、目を見開いた。
「あぁ?!なんだってぇ?聞き間違いか?」
「…こんなこと、2度も言わせないでくれ」
しばらく沈黙した後、五条は舌打ちをしてから夏油の顔を覗き込むようにして口を開く。
「…どういうつもりだ、傑。
レイがお前みたいな体質だとは思えない。今のとこなんともなかったとしても、いずれ具合やばくなるかもしれねぇぞ…」
「一瞬すぎて、止められなかったんだよ。私の普段感じてるものを共有したいと言うだけで、話にもならなかったんだ」
頬杖をついて視線を落としている夏油を、五条も同じように頬杖をついて目と鼻の先で見つめ合う。
「ナチュラルな自慢だねぇ、傑。」
「・・・かもね」