第36章 inequality 【特別編】
「それから釘崎…人形に釘を刺すのは可哀想だからやめろと言いたいところだが…まぁいい。
釘を刺してから呪力を流すまでのタイムラグを自在にする訓練でもしたらどーだ?時間差攻撃ができなきゃ特級相手には話にもならん。」
「…う…マジか……」
「で、おにぎ…じゃなくって狗巻棘だが…
音に呪力を乗せる性質上、耳から脳に掛けて呪力で守られると防がれて終わりだよな。つまり実力差や相性によってケースバイケース…となればもうこれは言霊を増幅拡張させる呪力コントロールの特訓をしてくしかねぇな。お前が1番リスキーだ、おにぎり野郎。」
「……こんぶ」
「つーかパンダ。
ゴリラ核かなんだか知らねーがやるならもう少し出し惜しみしろよ。お前の弱点はその核だろ。全部破壊されたら終わりだぞ… 近接戦闘、肉弾戦が向いてんだからそっちに気張れよ。」
「…ぐぬぅ。」
皆、悔しそうに奥歯を噛み締めている。
レイは苦笑いしながら黙りこくる。
「おいそーだ!こんなことしてる場合か!
レイ!おにぎり野郎!早く行くぞ!」
「…!…しゃけしゃけ」
「いいや、しゃけは却下だ!
甘いもんだ!!」
パンダがすかさず口を挟む。
「ちげーよ、クマ。
棘は、行く行く!って言ってんだ。」
「………わかりづれぇよ。
つーかお前なんだよ、呪術師だけじゃなくて通訳師もやってたのか?」
そこで釘崎と虎杖が声を上げた。
「ちょっと待てよ!クマ!最後まで訓練付き合え!」
「そーだぞー!俺もまだ出してない技がある!!」
やる気に満ち溢れていて頼もしいのだが、クマはもう完全に甘いものを欲していてその気は限りなくゼロだ。
レイは、あっと閃いたように自分の呪霊を引き出した。
「じゃあ2人とも!この呪霊を相手に訓練していてよ!
けっこー手強いよ!」
「わー!サンキュー!レイさん!」
「よっし!やってやるぜぇぇ!」
瞬時に戦闘開始されたその光景を背に、2人と2匹?は踵を返した。