第36章 inequality 【特別編】
翌日、クマと共に高専に到着した。
「ツナマヨ!」
「クマ〜!レイ〜!
どうしたんだ?」
訓練をしていた狗巻とパンダがさっそく話しかけてきた。
「あー、あのね!今日は棘くんとお茶する予定だから、ついでに訓練でも見てこっかなぁ〜て。」
パンダは目を瞬かせた。
「そーなのか?なら俺も行く!」
「おかか〜」
すかさず狗巻が不機嫌そうな目つきで声を出した。
おかかは否定の言葉なのだろうか…
とレイは首を傾げる。
「いいじゃんか、棘〜
俺だってちょ〜久々に2人と話してーんだよ」
「………めんたいこ…」
「なんだよ、独り占めはずりーぞー」
「…イクラ」
「あ?別に一緒に行ったって問題ないだろー?」
「こんぶ…」
レイはクマと共にポカンと押し黙る。
どういう会話が成り立っているのかまるで掴めない。
「…なぁ、あいつらどうなってんだ?」
「わかんない…パンダってすごいね…」
そのとき、後ろから声を掛けられて振り向くと、そこには虎杖と釘崎がいた。
「こんなところでなにしてんの、
レイさん!」
「おっ、クマもいんじゃん〜」
「あっ、悠仁くんと釘崎さん。
ちょっとね。……あ、伏黒くんは大丈夫ー?」
伏黒は、交流会のときの襲撃で結構な深手を負ってしまったのだ。
「あーあいつは今はまだベッドの上。
元気そうだけど、完治とまではいってね〜から」
虎杖が明るく言ったが、レイは顔を歪めてクマを押し付けた。
「私、ちょっと顔だけでも見てくるよ!
クマをお願い!」
そう言って走って校舎へ入っていってしまった。
虎杖と釘崎はポカンとした表情のままそれを見送ったあと、虎杖の持つクマに視線を移す。
「はーやれやれだな。レイは心配性なんだ。
待ってる間、お前らの訓練にでも付き合ってやろーかー?」
クマのその言葉に、2人とも好戦的な目で頷いた。