第36章 inequality 【特別編】
ー 狗巻棘 ・伏黒恵 ー
あれから連絡先を交換した面々とは、よくLINEのやり取りをしている。
その中でも、面白いなと思ったのは狗巻棘だった。
彼は、呪言師なので、普段はおにぎりの具しか喋らない。
しかし、LINEだと、当たり前かもしれないが普通に喋ってくれる。
"棘くん、あれから喉、大丈夫?"
"だいじょーぶー
クマは元気ー?"
"ならよかった。無理はしないでね。
クマは相変わらず煩いし、硝子と飲みにばかり行ってるんだ〜呆れちゃうよねぇ〜…"
"僕も行きたい"
"え?お酒飲めるの?"
"そうじゃなくて、どっか行きたい。"
"そうなんだ!じゃあクマに伝えとくね!"
"レイさんも、いなくちゃダメだよ"
"え、私も?もちろんいいけど!"
"しゃけ!明日、高専に来て!"
"うん分かった!クマと行くね♪"
レイは顔を綻ばせた。
時たま高専に行って皆の訓練の見学をしたり、参加するのもいいかもしれない。
クマもいることだし、今自分にできることを精一杯やって行こう。
そう思った。