第35章 wonder
レイはベッドに仰向けになったままポカンと目を見開く。
すると、天井に五条の顔が現れた。
「ふっは!何その顔!ウケる!!写メっていいー?」
「っ!…なっなにそれっ、だめぇ!」
「ふははっ!めっちゃマヌケ面!
じゃーね!おやすみ眠り姫。」
「まっ待ってよ!!1人にする気?!」
踵を返して部屋を出ようとしていた五条は振り返る。
「…はぁ?」
「………」
唇を噛み締めてぺたりとベッドに座り込んでいるレイ。
その姿に口角を上げる。
「あ〜、さては1人で眠れないとか?」
「っ……」
「でも、一緒に寝るの拒否った人はどこの誰だったかな〜?」
「ちっちがっ!別に一緒に寝てほしいとかじゃなくって…まだちょっと……その…まだここにいて?」
五条はやれやれといった表情でベッドに座り、レイの体を押した。
「わがままなお姫様だなぁ〜
寝つくまで僕はここにいればいいわけぇー?
子守唄でも歌ってほしいー?」
レイは恥ずかしそうに笑って布団にくるまった。
「ふふ……」
「あのさあ、レイ。
この状況でよくそんな安心できるねー?
ほんっとーに隙だらけなんだな呆れるくらいに…」
「悟はなんにもしないでしょ…」
そう言いながらも目がトロンとしてきているレイを睨み下ろす。
「っは…なんでそう思うわけ…」
やっぱズルいのはお前だよ…
僕じゃなくってさ…
マジ、これ残酷すぎ。