第35章 wonder
ようやく開放されたレイとクマは、五条によって、冥冥や夜蛾たちのいる部屋へ連れていかれた。
そして、冥冥の反応は予想外のものだった。
「…… レイ…ちゃん?
本当に…… レイちゃんかい?」
「…は、はい……」
やはり美しいレディーになっているなぁと思いながらも、苦笑いをする。
歌姫はまだまだ驚きを隠せないといった表情で言った。
「私もさっき知ったばかりなんだよね…
どうやら先日いきなり現れたらしくって…
今は五条の家に住んでるとか…」
冥冥は顔を歪ませて、クマごとレイを抱きしめた。
「……生きてる気がしていたんだよ!
レイちゃんが死ぬわけないっ!
それからクマもね!!!」
「……っ……冥さん…」
すぐに信じてくれる、その反応が嬉しくて、レイもキツく冥冥を抱きしめた。
「五条くんの家になんか居ないで私の家に来るんだ。」
「えっ」
「ダメダメ冥さん。レイは寝起きも悪いし家事もろくにできないんだから〜」
五条の言葉にムッとして何か言い返そうとすると、冥冥が笑って言った。
「家事なんてな〜んにもしなくていいし、レイちゃんは好きなだけ寝ててくれてオーケーだよ」
「えっ」
「とにかくダメです冥さん。早い者勝ちなんでねっ♪」
五条のニヤリと笑う顔と、冥冥の不機嫌な顔が近づきレイはたじろぐ。
「あぁぁあのっ!冥さんのおうちにも遊びに行かせていただきますね!憂憂くんにも会いたいしっ!」
冥冥は肩を竦めたかと思えば真剣にレイを見た。
「…うん、この男に何かされたら、すぐ私の所へ来るんだよ、わかった?」
「はははいっ!了解しましたっ!」
これでひとまずは皆に挨拶ができた。
ここから先は、五条に言われた通りに交流会のという名の、東京校VS京都校という戦いを、
レイの呪霊に乗りながらクマと眺めた。
しかし、途中から特級呪霊が侵入し、生徒総出・教師陣総出で戦うこととなってしまい・・・
五条が虚式・茈を発動したことでひとまずは終息したのだが、怪我人が多く出てしまい、交流会は中止となった。