第35章 wonder
「うおおおおおおおおおお!!!!!」
突然突進してきたパンダによってクマは奪われ、虎杖は勢いよく吹き飛んだ。
「くまぁぁぉぉあ!!!クマクマクマクマぁぁあぉぉ!」
「うっ…おお…なんだパンダ野郎か。
久しぶりだな。てめぇ図体でかくなり過ぎだろ」
パンダはクマの脇を抱えあげたまま目を潤ませている。
「な…なんでだよお…お前ぇー!
信じらんねぇよおおおお!!!
悠仁と一緒に生き返ったのかぁ?!」
「いや、違う。
お前のもっと大好きな奴とだ。
正確に言えばな。……分かるだろ。」
その言葉に、パンダは大きな目をさらに大きくする。
他の者たちは完全に「?」の表情のまま状況が掴めず固まっている。
そこに、レイを連れた五条が現れた。
「…?!?!… レイ?!」
「パンダくん久しぶり。大きくなったね…」
パンダはまた勢いよく飛びついた。
放り投げられたクマは、伏黒にキャッチされた。
「っ!!」
パンダの大きすぎる体によろけながらもなんとか抱きとめる。
「……なんで…だよ…
ほんとにレイなのか?
………俺…ずっと……」
「うん…ごめんね。
また詳しいことは話すから…」
今はそう言うしかなくてフワフワのその毛並みを優しく撫でた。
五条はそんなパンダを、容赦なく引き剥がした。
「はいはい感動の再会はそこまでー!
みんなにレイとクマのこと紹介しなくちゃなんだから〜」
「……おう、悪ぃ…ぐすん…」
泣いているパンダに、レイも涙を浮べる。
良い子に育ったみたいで良かったと思った。