第4章 bruise
「っ!おい、レイ?…っな!?」
夏油が止める間もなくレイは一気にそれを飲み込んだ。
「おい!何してる!!」
夏油は顔面蒼白になっている。
こんな表情の彼を見るのは初めてだが、レイは薄ら笑った。
「はは…確かにこれは酷い味だ」
「お…い…なんでこんなことする…吐き出せよ…」
信じられないといった顔をし、少し声が震えている夏油。
「嫌だよ。だって、好きな人の普段感じている感覚は、できる限り多く共有したいじゃん。傑が感じていることは私も感じたい…」
言い終わった瞬間に夏油の腕に引き込まれる。
ギュッと抱き締められ、「バカ…」と掠れた呟きが聞こえた。
「離さないからな…」
「ふふ…私だって離さない…」
2体の準1級呪霊を祓ったことにより、他の呪霊は全て消えていて、2人のいる屋上から広がるように徐々に明るさが取り戻されていった。