第34章 surround ■ 【番外編】
じゃんけんに勝ったのはレイだった。
「やったあ!今日はツイてるなあ!」
「チッ。じゃー…うーん…あとのも全部ザコいからもうなんだっていいか。」
五条がテキトーにペアを分けた。
「はいっ、じゃー俺らは利き手じゃない方の手しか使わないしもちろん足も使わないから。」
「うん。さっきみたいに首に手をかけるのもやめておくよ。
さあ、どこからでもかかっておいで。
あ、殺す気で来ないとダメだよ。」
「…なっ、舐め腐りやがっててめえらー!!!!」
ゴングが鳴ったかのように全員一斉にかかってきた。
しかし・・・
一瞬で全員同時に終了してしまった。
「え…終わっちゃったじゃん…」
「早すぎだよ…」
「あぁ…時間にして1秒も経ってない」
「つまんなー」
ぶっ倒れているクズ男の前に、ひとまずしゃがみこむレイ。
「もう真美ちゃんには近付かない。連絡もしない。これ約束しろ!あと女に手を出さないって約束しろ!いいね?!」
ガッと髪を掴んでそう言うと、男は呻き声を出しながら頷いた。
放心状態になっている真美のもとへ行き、
「大丈夫?」と声をかける。
「っあ…う、うん。だ、だいじょぶ…」
「じゃあ早くこっから離れよう。私らおまわりにでも見つかったらやべえし。」
硝子が真美の背中をトンと押しながら言い、ひとまず全員でその場を離れた。