第34章 surround ■ 【番外編】
そこに現れたのは、自分たちよりも見るからに柄の悪すぎる輩みたいな高校生3名。
1人はボンタンを履いている長髪のピアスの男。
もう1人はサングラスをしている白髪の男。
どちらも背が高く、しかも余裕そうな笑みを浮かべている。
そしてもう1人は、タバコをふかしながら顔を顰めている女。
しかも…
いつの間にどこから現れたのか??
一瞬で目の前に現れたのもあり、男たちは動きを止めて目を見開く。
「っは、はぁ?なに?お前らっ…」
五条に蹴りを入れられたクズ男は腹を抑えながら後ずさる。
「やぁ、こんにちは。
私が電話で話していた夏油だけど…
遅くなってごめんね?」
「パンピーに手ぇ出す俺らもやべえけど、女に手を出す男の方がもっとやべえと思うんだ。ねぇどう思う〜?」
「っ、はあぁ?お前らには関係な」
「あぁ、やはり君が私と電話していたクズ男くんだね?」
夏油はニッコリと笑いながら片手で男の首を掴んだ。
「っは…っぐ!!!」
「女に手を出すのは感心しないなぁ。
とくに私の女に触れるなんて何度殺しても殺し足りないくらいに許せないなぁ…しかも多勢に無勢なんてどういうつもりなんだか…まるでこないだの私の時みたいだな…」
朗らかに笑いながら早口でそう言う夏油によって、いつの間にか男の足は宙に浮いている。
「しかもさっきとんでもない言葉が聞こえたような…
ぶち…んんなんだったかな、私の聞き間違いだったらいいんだけど…なあもう一度言ってくれないか?あとそれを誰に向けて言っていたのかも」
「がっ…は………」
「…なぁ?頼むよ。腕が疲れてきてしまう。君も楽になりたいだろう?」
「……やっ…め゛…っ…」