第34章 surround ■ 【番外編】
「ん?…あ?なに?女じゃん。ウケる!
てっきりこないだの電話の男かと思ったんだけど〜」
「キミがクズ男くん?」
「あぁ?!」
「簡潔に言うけど、真美ちゃんとは別れて、今後一切関わらないで。」
「はっ、なにそれぇ?つーか誰お前?
知らねー奴にいきなりそんなこと言われて、はいそーですかって素直に引き下がる馬鹿がどこにいんだよ。」
周りの3人もバカにしたように噴き出している。
「私は真美ちゃんの友達だよ。
女の子に酷いことする男は許せない。」
「酷いこと?何も知らねぇ奴がつべこべ言うんじゃねーよ。
あのなぁ、そもそもこいつが他の男と話したり連絡先消さなかったり、俺の気に食わねぇこと散々しやがるから正当な理由があるわけ。わかる?こっちが責められるのは癪だね。」
レイは内心ドン引きしてしまった。
こんなに束縛男がいるなんて…
夏油としか付き合ったことがない自分は世間知らずかもしれないが、この男は異常だと思った。
「それが正当な理由かはさておき、どんな理由があっても女の子に手を上げるなんてクズ過ぎると思うよ?何も知らないのはどっちよ。」
「あ?てめぇ女だからって調子にのんなよ!
ぶち犯されてぇのか!!」
「あぁん?お前が調子にのんなよクズ男!」
男とレイが胸ぐらを掴みあった。
真美は顔面蒼白にする。
「どー考えても俺が勝つに決まってるけどボコられたいわけ?」
「やれるもんならボコってみろよほら。」
挑発的なレイの態度で完全にブチ切れた男は思い切り顔面を殴ろうとした。
しかし瞬時に避けられ、レイの膝蹴りが腹に食いこんだ。
「ーっうぐ!!」
それを境に他の3人も襲いかかってきた。
レイは4人相手でも全く表情を変えることなく応戦している。
しかし、クズ男は真美に狙いを定めた。
「おい真美てめえっ!!」
ドガッ!!
「ってぇぇ…!」
全員の動きがピタリと止まった。