第34章 surround ■ 【番外編】
「…… レイ?」
潤んだ瞳で唇を噛み締めているレイが夏油を見上げている。
「…私を…抱いてからにして」
「っ…え…」
「…やだ?…だめ?」
「……いいのかい?」
「…え?…どういう意味なの?」
すると夏油は気まずそうに目を逸らしながら話し出した。
「いや…その…私は考えたんだ。君を抱く資格がある男なのかと。考えてみたら私はアレを付けていなかった時もあったのは事実だし…その上今回君を悲しませた贖罪も兼ねて、その…ちょっと自制した方がいいか…と…思っ」
ギュッと首に巻き付かれ、夏油はバランスを崩して慌ててレイの顔の両脇に肘をつく。
すると、蚊の鳴くような小さく悲しげな声が耳に届く。
「やだ。そんなこと言わないで……
傑に触れてもらえないなんて…おかしくなる…」
「…っ… レイ」
「今すぐ私を抱いてくれたら許す。」
「!」
「ねぇ、ズルい?私ズルいよね、ふふっ…
良い女でもないこんなズルい女で良ければ今すぐ抱いてよ…」
「っ……」
夏油は瞬時に荒々しいキスを落としながら服を脱がせていった。
キスをしながらレイは夏油の頭に手を回し、髪ゴムを取り去った。
パサリと落ちる彼の長い髪。
はだけた首元に唇を這わされ、鎖骨の辺りをその髪が緩やかに滑っていく。
「っんん……ぁあ……っ…傑っ…」
「…ん……どんな君でも抱かせてもらうよ…」
スっと上体を起こされ、制服の上着を取り払われる。
互いにチュッチュっとキスをしながら、服を脱がしあっていった。