第34章 surround ■ 【番外編】
レイは任務を終えて、いつも通り夏油に無事報告のLINEをした。
なかなか既読がつかなくて、またも不安に駆られる。
「んー…やっぱ私って気持ち悪い女だよねぇ…
完全に入れこみすぎてる…」
ウザくて重い女にはなりたくない。
嫌われたくない。
だから、やっぱり何も言わずに何も考えないように努めた。
しかし…決定的な瞬間を目撃してしまったのだ。
「ーっ!!!」
息が止まってしまった。
「だ、れ……あれ?」
気を紛らわすために本屋に寄り、店を出た瞬間、道路を挟んで向かい側のその光景に唖然とする。
知らない女性と夏油が何かを喋りながら並んで歩いている…
ただの知り合い…かな…?
別に手を繋いでいるわけでもくっついているわけでもないし…
…でも……
最近の彼の動向もあって、気にならないわけがなかった。
レイは気付かれないように後を追う。
すると、2人は人通りの少ない狭い路地裏へと入っていった。