第34章 surround ■ 【番外編】
「……でね、その時に私、…って…ねぇ!
傑聞いてる?!」
「っあ…ごめん、もう一度言って?」
「……もう…」
最近、夏油の様子がおかしいとレイは気づいている。
話が上の空のことが多いし、スマホをしきりに確認しているときが明らかに多い。
自分は普段、どれだけ彼のことを見ているんだということを痛感させられたのと同時に、もちろん不安が増強していく。
「…ねぇ、傑…なにかあったの?」
「えっ?…いや、なんにもないよ。」
いつもの優しい笑みで、フッと笑って頭を撫でられればもう何も言えなくなってしまう。
やっぱり私が考えすぎなのかな…
四六時中 傑のことばかり考えているから…
何もないなら…それなら…いいんだけど…
完全に依存症みたいになっている自分のことがなんだか情けなくなり、思い過ごしと言い聞かせることにした。
けれど…
その日は突然やってきた。