第33章 perplexity
その日の晩、
どうにかサイトを見ながらレイは夕食を作ってみた。
メニューは、クリームシチューに春雨サラダにニラ玉、ガーリックトーストというなんとも統一性のない組み合わせ。
でも意外にも料理は楽しいと思えた。
虎杖はおかわりまでしてくれた。
「うまいよ!うまい!
レイさん良いお嫁さんになるよっ」
「…え、あー…ありがとう…」
なんとなく複雑な気持ちになってしまうのは
そんな未来がないような気がしてならないからだ。
「でもごめんね、簡単なものしかまだ作れなくて」
「いや?結構クオリティ高いと思うよ?
僕よりも料理のセンスあるかもね〜
やっぱ女の子だねっ」
五条にも褒めてもらえた。
これは素直に喜ぶべきだと思って顔をほころばせる。
「これからはもうちょっと凝ったものにトライしてみるよ。
ん〜明日は何がいいかなぁ〜…」
これって完全に主婦になってる?
とは思いつつも、毎晩メニューを考えるのはなかなか大変なもんだなぁとやはり世の奥さんたちに内心驚いている。
「俺、唐揚げがいいなぁ〜
あー、でもカレーもいい!
今後毎日レイさんの料理食えるとか俺幸せだなぁ〜」
虎杖のその言葉にニッコリ笑って何かを返そうとした時、横から五条が冷静に口を挟んだ。
「残念ながら、悠仁はこれが最初で最後ですっ!」
「はぁあ?!なんで?!」
「言ったでしょ〜
明日は京都姉妹校交流会!
明日以降は悠仁には高専に戻ってもらいま〜す」
「え!戻んなきゃダメなの?!」
「当たり前っしょ。
てかそんなに僕のおうちにいたいのー?」
「いたいいたい!だってレイさんもクマもいてせっかく楽しいのにぃ〜!料理もうまいし!!」