第33章 perplexity
虎杖が実は一番この状況を理解できていない。
昨夜、七海と共に任務地に合流したクマ。
七海とも昔からの知り合いだったような感じだった。
そして、クマは自分たちの戦闘を援護するでもなく、ただ口うるさく何かを言いながら浮遊しているだけだった。
それでも七海は何も言わなかったので、疑問符だらけだった。
しかし、クマの言っていることは全て的を得ていて、そのおかげでタイミングがうまく図れたり、逕庭拳が発動できたのも事実だった。
そして、帰宅した後、さらに驚いたのはこの女性。
あのペンダントのプリクラに写っていた中の1人じゃないか!
そして、なんと1級呪術師であり、高専卒業後は個人で動いていたため、五条も久々に会ったとのこと。
しかもこの人がクマを作った人らしい。
自分とあまり歳変わらなそうなのにすごい!!
と思ったらまさかの
五条と同い年と言われて驚愕した。
あまりに若くて可愛いので信じ難いのだが、まぁ最近の人って見た目年齢不詳多いしなぁ、と納得する。
つまりは、五条と同級生、七海の1つ上の先輩…
ということになる。
あのナナミンが感極まって抱擁していたくらいだから、本当に久しぶりにあったのだろうなぁと驚いた。
しかもレイさんというこの女性はとっても愛想が良くて、天使のような屈託のない笑みで笑う。
"よろしくね!虎杖悠仁くん!仲良くしてね!
クマとも遊んでくれていたみたいでありがとう〜!"
こんな彼女に、昨晩の落ち込みは一気に吹き飛んでしまった。
初めて人間を殺してしまったことによって、あんなに絶望したことは人生初だったというのに…。
しかし、五条には、
"レイには手を出すなよ悠仁〜
もしもそんなことがあったら…いいね?!"
とよく分からないことを言われ、
あれ?恋人ってこと?
と思い、こっそりとレイに聞いたのだが、
アハハ!なわけないじゃーん!
と返されて未だに疑問符が浮かんでいる。
そもそもこの状況が甚だ疑問なのだが、楽しいからまいっか!と思っている。