第33章 perplexity
王女は順調に成長し、15歳になる。
ひとりで城の中を歩いていると、塔の最上階の部屋で、見知らぬ老婆が糸を紡いでいるところを見かけた。不思議に思って近寄ったとたん、錘が手の指に刺さり、そのまま100年の眠りについてしまう。
さらにこの呪いは城中に降り注ぎ、王や王妃をはじめ城にいる全員が眠りに落ちてしまった。
そして城の周りは茨で覆われるようになり、城には誰も入れなくなってしまう。
それから長い年月が経ったある日、隣国の王子がそばを通りかかった。
茨に覆われた城を見て不思議に思い、近くに住む老人に問いかけると、「城の中には美しい王女が眠っている」と言われる。
どんな王女がいるのか気になって仕方がなくなり、勇気を出して茨に近づいたその時、ちょうど100年の呪いが解けて、茨はひとりでに道を開け、王子は中に入ることができた。
眠っている王女にキスをすると、王女は目を覚ます。
同時に城の人々もみな目を覚まし、王子と王女は結婚して幸せに暮らした。
「Seriously!?…初めて知ったよ…
マレフィセントとか出てこないんだ…」
こいつは話の途中になぜかよく英語が混じってた。
ハーフ?とか思ったけどこのときは特段気にはしてなかった。
「や、驚くべきはそこじゃなくね?
姫は100年間も眠ってて歳が変わんなかったんだぞ?
しかも実はこれよりももっと前の本当の原作がある。
聞きたい?」
「yea...h....き、聞きたい…」
「ふっ、いいぜ。ビビんなよ?」
ある国にターリアという王女が生まれ、その誕生を祝うパーティが開かれた。
パーティーに出席していた占い師が、「麻糸によってターリアに災いが起きる」と予言する。
その予言どおり、麻に紛れ込んでいた棘が指に刺さり、ターリアは眠りに落ちてしまう。父親は悲しみに暮れ、この悲しみを忘れるために城を去ってしまった。
それからしばらく経ったある日のこと。ある国の王が、鷹狩りをしているうちに偶然ターリアが眠る城へと辿り着き、彼女の姿を見つける。
そして、あまりの美しさに我慢ができなくなり、そのまま眠っている彼女を犯してしまった。
それでもターリアは目を覚まさなかったので、王は自国に帰ってしまう。
ターリアは眠りながら王との子を妊娠、なんとそのまま双子を出産する。