第32章 indifference
七海は心底うんざりしたようにため息を吐いた。
「いやぁ〜よかったよかったぁ〜
五条悟が来ても困るけど、あんまり弱いと実験にならないからさ〜」
「…残業は嫌いなので手早く済ませましょう」
人間を化け物へと変え、
自分の呪具として扱う特級呪霊"真人"
虎杖には他のを追わせ、自分一人でこいつのアジトに来られたのはいいが…
なにしろもうこんな時間だ。
早くしないと定時で上がれない。
「ねぇ、アンタはさ、魂と肉体、どっちが先だと思うー?ほらあるでしょ、卵が先か、鶏が先かみたいな話〜
肉体に魂が宿るのかな?
それとも魂に体が肉付けされてるのかなー?」
ここまで会話が成り立つ呪霊…
五条さんの報告にあった未登録の特級呪霊と無関係では無さそうだ…
「…前者。」
「ブッブー!答えは後者!
いつだって魂は肉体の先にある。」
真人は"無為転変"と言って人形のようなものを取り出した。
「こうして人間を小さくしてストックしてるんだ〜結構難しいんだよ?一般人は形変えちゃうとそのうち死んじゃうけど、呪術師はどうかな?」
ペラペラと喋りっぱなしの真人を他所に、七海は腕時計を確認した。
「…18時半……
今日は11時から働いているので…
なにがなんでも19時には上がります。」
そこから凄まじい乱闘が繰り広げられた。
が・・・