• テキストサイズ

walking proud~呪術廻戦~R18~

第32章 indifference




"………殺せばいいじゃん。
傑を殺した時みたいに……"


なんてことを言ったんだろう…私は…

よろよろとベンチに座ると、隣に五条も腰掛けた。


先に口を開いたのは五条だった。

「こんなこと言うのも、あれだけどさ…
言っていい?」


「……なに?」

レイは遠くの空をボーッと見つめた。
もうかなり暗い。
薄らと星が出始めている。


「あのね…僕ね……
やっぱ… レイが生きててくれて、
泣くほど嬉しい」


「……泣いてないじゃん…」


「…泣いてるよ……
目隠しで見えてないだけじゃん」


レイは五条の方を向くと、目隠しに手を伸ばした。
けれど、それを外した先を想像すると、なんとなく手は宙を彷徨い、そしてまた引っ込めてしまった。


「あれぇ?…外さないの?」

「・・・目隠しなんて…ズルいよ…」

五条がどんな表情なのかがわからない。
けれど、声色はとても静かで全く力が篭ってない。


「僕のこと、殴っていいよ」

「は?」

「傑を殺したこと怒ってんならさ、好きなだけ僕のこと痛めつけていいよって言ってんの。気が済むまでボコりなよ。」


レイは目を見開いたまま五条を見る。
目が合っているのかすら分からないが、合っている気がした。
しかも、笑みを浮かべているような気さえする。


「だから私、別に怒ってないって…」

「いや分かるんだ。それに、怒るのは当然だ。僕だって自分で自分にめちゃめちゃキレてる。」

「……なんでそんなに面白そうに言うの?」

そういう所が気に食わない。
何も笑えないタイミングで笑ってたりするところ。

レイは眉間に皺を寄せたまま拳を震わせる。

ここで殴ったりしたら…どうなるだろう?

私はやっぱり、傑を殺したことを恨んでいるんだろうか?

「……早くやって、レイ。
僕が代わりにやってやりたいのは山々なんだけど、自分に対してとか上手くできないからさ〜。レイがやってくんないと。」

/ 1492ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp