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walking proud~呪術廻戦~R18~

第32章 indifference


これ以上めそめそ泣きたくなくて、上を見上げる。
みるみる暗くなっていく空は、涙のせいか、とてもぼやけて見えて、たちまちなにも見えなくなった。


「こんな所で何してるんですかぁ〜
お姫様〜」


「!!!」


五条の声がとても近くから降ってきた。

瞬きをすると、涙が一筋流れ、そして視界が開けた。

何も見えなかったのは、五条の顔が視界を覆っていたからだと気づく。
黒い目隠しのせいか、暗闇に包まれているような感覚がした。


「ふっ…隙がありすぎなんだよなぁ、昔っから。
そうあいつにも言われてこなかった?」


レイは何も言わずに俯いた。


……言われてたよ。
いっぱい。
注意ばっかされてたよ…



五条は隣に腰掛けた。

「帰ろうよ〜レイ姫〜」


なんで、そんなに明るくいられるの…

意味わかんない…


複雑に絡み合っていた感情は、次第に苛立ちと怒りになっていた。


「あー、なんかどんどん暗くなってきてる〜
こんな所に女の子1人は危ないよー?」


「……放っといて」


「いや、マジでおまわりさんに補導されちゃうよ〜
今、制服姿なわけだし〜」


「放っといてって言ってんの」

そう言ってスクッと立ち上がると、足早に歩を進める。

しかし五条が瞬間的に移動して、一瞬で前に立ちはだかるので、何度も踵を返しながら避けて歩き回った。

……。

また前に立ちはだかった五条をドンッと押し退ける。

「独りにしてって言ってんの」

「じゃあ僕から全力で逃げなよ」

レイは上目遣いで五条を睨んだ。
目隠しで表情はわからないが、口角が上がっているのはわかる。

この状況のなにがそんなに面白いのだろうか?

そう思いながら、超特急で走った。
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