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walking proud~呪術廻戦~R18~

第32章 indifference


「ごっ、ごめん…私…ちょっと冷静になる…
頭冷やして…くる……」

「っ?!おいっ…!」

レイはバタバタと外へ出てってしまった。

五条とクマだけになった部屋で、なんとも言えない空気が流れる。


「おい、目隠し野郎。
追わなくていいんか?」

「………追うよ。
だってこのマンションオートロックだもん」


五条が寂しげに笑うと、クマも少しだけ笑った。


「じゃーおいらはシチサンの様子見に行ってくるわ」

「あんま驚かすなよ。きっと腰抜かしちゃうよ」









レイは、薄暗くなりつつある空の下をひたすら歩いた。
行くあてもなく、ただとぼとぼ歩いていると、次第に街灯がついて明るくなり、いつの間にか導かれるように小さな公園に来ていた。

ベンチに腰掛けて上を見上げる。

まだ、月も星も出ていない。

「……よかった…」

つい、そう呟いてしまった。

出ていたら…
初めて彼とキスをした…あの時のこと…
思い出して、頭がおかしくなってしまいそうだから…


ふと見つけた木の枝で地面をいじくる。



forever




それだけ書いて、その文字をジッと見下ろした。



本当に大好きなの…今でも…

彼の全てを…

"永遠"に愛してるの…

たとえこの思いが呪いでも…


神様…どうかわかってください。
また彼に会わせてください…


「どうか…届いて…」


文字は風で僅かにかき消され、どこかへ飛んでいった。

カランっと枝を落とした音が響く。



あのルビー…やっぱり最期まで使わなければよかったかもしれない。

そうすれば、


死ねたのに…


天国か地獄で…
あなたに会えたかもしれないのに…


「…なんで……私って…ほんっとにバカ……」

後悔ばかりが襲う。


もっと、ずっとずっと前から…


あの時、ああしとけば良かった
あの時も、こう言えばよかった

もっとあなたを

理解できていれば…


「ごめんなさい……」


悲しいとか、悔しいとか、淋しいとか、

そんな単純な言葉で言い表せないほどの感情。


喪失感、絶望感、そんなものでもない。


ただただ今は…

あなたに会いたい。
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