第32章 indifference
傑はもう…この世に…いない?
そんな……
また会えると思ってた…
また話せると…
前みたいに戻れると…
正直、そんな淡い期待をしていた…
処刑対象だったのは知ってる。
それでも…
ずっと捜していた…
大好きだった傑のことを…
嫌だ…
受け止めきれないよこんなのっ……
ショックのあまり、
レイは涙すら流せなかった。
五条はその様子を見ながら、
意を決して言った。
あの日のことを。
夏油の目的や大義と語っていたそのことについても全て。
「…止められなかった。
結局…最期まで…」
レイは呼吸が苦しくなっていた。
そして思い出す。
昔…ディズニーのホテルで彼が言っていた言葉を。
"レイ…君が一生幸せな人生を送れるように…それだけを考えるようにする…それだけを誓うよ…"
目を見開いて固まったままのレイにもう一度言う。
「ごめんな…」
「な…んで…謝るの…」
「・・・」
レイはギュッと目を瞑り、
拳を握って必死に感情を押し殺した。
どうにも実感が湧かない…
自分に言い聞かせるようにしてなんとか言葉を絞り出す。
「仕方の…無いこと…だよ……」
震えているその言葉に、五条は何も言えなくなった。