第32章 indifference
レイは気がつくと、小学校らしき廊下で小学生らしき生徒たちに囲まれていた。
「お姉ちゃん、だれー?」
「大丈夫ですかー?」
「先生呼ばなきゃ!」
あれ?
自分はさっきまでここで呪霊と戦っていたはず…
でもこの小学校は廃校になっていたはずで、
誰も生徒はいなかったし、
自分はあのとき……
「……え?どうなってるの?」
呪霊に殺られたような気が…
したんだけど…
私が勝って、
ただ気絶していただけ…?
すると、教師らしき人が生徒に連れられて駆けつけてきた。
「…大丈夫ですか?
倒れていたようですが…
誰かのお姉さんかな?忘れ物を届けに来たのかな?」
「…えぇっ…と……
ごめんなさい!用は済みましたから!」
そう言って急いで立ち上がり、
一目散に校舎の外へ出た。
「あれぇ?!森さんは!?」
森さんがいないし、車もない。
しかも、明らかに来た時とは違う、
活気づいた雰囲気の小学校。
……どうなっちゃってるの?!
スマホもペンダントもなくなっている。
呪霊に飲み込まれちゃった?
とりあえずレイは
歩いて高専に戻ることにした。