第32章 indifference
五条はこの日、心臓が爆発寸前なほど波打っていた。
クマの存在はまだ誰にも言っていない。
別に隠すつもりはないのだが、
クマがあちこち彼女のことを探し回っていて落ち着きがない上に、五条自身も同じように落ち着きがなく、一人一人に紹介なんてしている余裕がなかった。
そして今日、七海に虎杖を任せてさらに落ち着きがなくなったのには理由があった。
それは、高専にいる伏黒恵からの1本の電話から始まった。
転校生らしき子が来てるけど、そんな予定あったー?
というような内容…。
すぐさま駆けつけていくと、
そこにいたのはやはり
レイだった。
しかもレイは、
あのころと全く変わっていない、
制服姿のままの風貌だった。