第1章 ruby
夏油傑が一番最初に会わせてくれた夜蛾という男性教師は、刈上げ頭でアゴヒゲを蓄え、サングラスを掛けた、パッと見は893のような強面の男性。
「傀儡呪術学」の第一人者であり、呪骸(人形に呪いを籠めたもの)を操るという、意外にも可愛いぬいぐるみをいつも集めていた。
そしてその夜蛾先生にいろいろな事を教わって分かったことがたくさんあった。
私も人形や物に呪を篭めて操ることが先天的な能力として合っているらしい。
だから私はいつどこで呪霊と対峙してもいいように、大量の鋭いピアスを耳に付けるようになった。
何か物や武器をいろいろ持ち歩くのは重いし邪魔だから。
それに、
夏油くんの両耳にも大きなピアスがついていて、なんだか共有できる何かを見つけられた感じがしたから。