第30章 reunion
「その節はどーも。」
「…はて。その節とは。」
呪術高専 京都校 学長 楽巌寺嘉伸は
いつものようにふてぶてしい態度で足を組み口角を上げている五条悟を前にしつつ、なんとか苛立ちを抑える。
「とぼけるなよ、ジジィ。
虎杖悠仁のことだ。保守派筆頭のあんたも1枚噛んでんだろ。」
「やれやれ、最近の若者は敬語もろくに使えんのか。」
「ハナから敬う気がねーんだよ。最近の老人は主語がでかくて参るよホンット。」
僕久々にすげーキレてる。
と客観的に思いながら薄ら笑う。
しかし、虎杖悠仁を殺すために仕向けられた事態に心底腹が立っていた。
虎杖は生き返ったが、あのときは伊地知に言った通り、上の連中を本気で殺したいほどの憎悪に駆られていた。
若人から青春を取り上げようとすることが、
1番許せない。ずっと昔から。
「昨晩、未登録の特級呪霊2体に襲われた。」
「…それは災難じゃったの」
「…勘違いすんなよ。僕にとっては街でアンケート取られたくらいのハプニングさ。その呪霊たちは意思疎通も図れたし、同等級の仲間もまだいるだろう。」
そう。昨夜、あのまま虎杖を部屋に残してから、とある場所で火山頭のおかしな特級呪霊に襲われたのだ。
そいつは逃げたが、領域展開・無量空処を使用し、それを虎杖に見学させた。
興奮と驚愕で顔を青くしている虎杖をまた、今日もクマと共に部屋に残し、そしてここへ来ている。
「敵さんだけじゃない。秤、乙骨、そっちの東堂。生徒のレベルも近年急激に上がってる。
去年の夏油傑の一件…そして現れた宿儺の器…」
「何が言いたい。」