第30章 reunion
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「とにかく、それが僕の師匠。
ちなみに名前はクマ。」
「え、なにそ」
ドガッ!!
「っでぇぇぇ!」
突然のクマのぬいぐるみパンチを食らう虎杖。
「その呪骸は一定の呪力を流し続けないと、そうやって攻撃してくるよ。」
「ええ?!それ先に言ってっ!」
「ここにはいろんな映画が揃っているから、
ドキドキハラハラワックワク、泣けて笑えて胸糞悪くなれる。まずはその呪骸を起こさず映画1本、無傷で見通すこと!」
クマは、今では意思がないにしても、普通の呪骸としては完成された代物だ。
そしてこのような訓練にも使える高度な技術が施されている。
さすがはレイの作ったものであるといったところだ。
虎杖はかなり残念そうな顔をしてソファーに腰掛けた。
「はー…なるほどー…
五条先生も、昔こうしてこの人形と映画見て、訓練してたってわけね。」
だからこのクマを師匠と言っているのか、と結論づける。
仕方なく、アクション映画のDVDを選んだのだが、初っ端からクマにボコボコにされ続けた。
「じゃっ、その調子で頑張ってよっ。
僕は用事があるから」
「うぅ〜…これでほんとに強くなれんの?」
「なれる。言っとくけど、僕なんてそのクマに100倍もしごかれ続けてたんだから。」
「えぇっ?!そうなの?
俺多分これ以上は耐えられん…
やっぱ最強は違ぇなぁ……」
虎杖は、クマを抱き抱えたまま、しぶしぶまたDVDを物色し始めた。